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学生に薦める本 2025年版
藤本 直生
今年度は、女性の活躍をテーマに選びました。昨年(2024年)NHK大河ドラマ【光る君へ】を毎週楽しみに見ていました。平安時代に活躍した主人公の紫式部が書いた小説、【光源氏】は千年以上たった今も読み継がれているのですから、素晴らしいですね。紹介する本やDVDは、女性の作家や主人公に焦点を当てました。
『あさきゆめみし : 源氏物語 : 完全版』全10巻
- 大和和紀 講談社 2017年
1,000年以上前の平安時代に紫式部が書いた小説、【光源氏】がもととなったマンガです。高校生の頃、古典の教科書に【光源氏】の話の一部が載っていて興味を持ちました。平安貴族の十二単の衣装や生活習慣の違いとてもよく分かります。現代語訳版の小説も長編でかなりの分量ですが、マンガだったら気軽に読めますのでお薦めです。
『Without a trace Nancy Drew : girl detective』
- Carolyn Keene Aladdin Paperbacks 2004年
- Nancy DrewシリーズVol.1-30のうち、Vol.27,29以外は所蔵あり
弁護士の父を持つアメリカの女子高生ナンシーが、ご近所で引き起こるさまざまな事件を解決していく話です。英語の本ですが、推理小説でハラハラ、ドキドキしながらあっという間に読めます。シリーズ本で、1巻ごとに完結していますので、本校の図書館には20巻まで揃っていますが、順を追って読んでいかなくてもどれからでも楽しく読めます。特に、13巻はアメリカ本土から設定がハワイに移っていて、南国ムードの中で繰り広げられるミステリーに思わず引き込まれてしまいます。
『Who is Michelle Obama?』
- Megan Stine Grosset & Dunlap 2013年
オバマ大統領(2009年~2017年)の妻、ミシェル・オバマの生い立ち、バラク・オバマとの出会い、結婚そして家族との生活について書かれた伝記です。シカゴで生まれ育ったミシェルは、プリンストン大学とハーバード大学ロースクールで学び、弁護士事務所でインターンシップとして研修に来たバラク・オバマと出会います。私がとても感心したのは、優秀な弁護士であったミシェルですが、何よりも大切にしていたのは二人の娘との家庭生活だったということです。きっとオバマ大統領にとって、妻ミシェルのサポートはなくてはならないものだったでしょう。
『Heidi (Penguin readers ; level 2)』
- Johanna Spyri Pearson Education 2002年
子供の頃、テレビアニメの【アルプスの少女ハイジ】を毎週楽しみに見ていました。両親を亡くしたハイジは、アルプスの山小屋で暮らすおじいさんと幼少期を過ごしました。ある日、足の不自由な少女クララの話し相手となるために、ドイツの大都会フランクフルトに移り住むこととなりました。生活習慣の違いから、ハイジは夢遊病にかかってしまいます。山に囲まれた「東洋のスイス」と呼ばれる長野県の諏訪地域で育った私は、ハイジにとても親近感を持っています。私は20才で東京の大学に勉強に行った時に、東京に山がないことにショックを受けて、ハイジの気持ちが分かりました。この本は、オリジナルの物語が簡単な英語で書かれていますからとても読みやすいので、ぜひ挑戦してみて下さい。
『ベッカムに恋して = Bend it like Beckham』(DVD)
- グリンダ・チャーダ監督 パンド 2002年
ヒロインのジェスはインド系イギリス人で、サッカーが大好きな高校生。将来はプロのサッカー選手になることを夢見ていますが、伝統を重んじる両親は女の子が生足をさらしてサッカーをするなんて考えられません。ジェスは夢を叶えることができるのでしょうか。続きが気になる人は、ぜひ図書館のDVDを見て下さい。ところで、ジェスを演じたバーミンダ・ナーグラーはイギリス中部のレスター出身です。私はレスター大学の大学院で勉強しましたが、レスターには多くのインド系の人々が住んでいてインドの文化に触れる機会がありましたので、この映画に興味を持ちました。
『The Secret Life of Bees』
- Sue Monk Kidd Penguin Books 2003年
この物語の舞台は1960年代のアメリカで、主人公は14歳の白人少女リリーです。彼女は、わずか4歳の頃に誤って母を銃殺してしまいます。短気で乱暴な桃農家の父と二人暮らしで、黒人のお手伝いさんのロザリンが友達のいないリリーにとって、たった一人心を許せる相手でした。ある日、父との喧嘩がこじれてリリーは家を出ます。そして、亡き母が持っていた黒いマリア像が描かれたラベルを頼りに、黒人の養蜂家姉妹の家にたどり着きます。そこで働きながら、リリーは多くのことを学び成長していきます。
『野心のすすめ』
- 林真理子 講談社 2013年
小学生の頃、父の机の上に “Boys, be ambitious.” と書かれたペーパーウェイトあり、「これは『少年よ、大志を抱け。』という意味で、札幌農学校(北海道大学の前身)のクラーク博士が言った有名な言葉だよ。」と教えもらいました。それは長野県の農業高校出身だった父が、同窓会の引き出物にもらって来たものでした。私は「なんて素敵な言葉なんだろう!」と思ったと同時に、「大志を抱くのは【少年】」に限らず【少女】でもいいんじゃないかしら。」とも思ったものでした。
この本は、まさに “Girls, be ambitious.”(少女よ、大志を抱け。)を体現した、作家の林真理子さんが書きました。読書で「妄想力」を鍛え、野心を持って努力することの大切さを述べています。「人の一生は短いので、挑戦し続ける人生に一歩を踏み出そう!」というメッセージに勇気が湧きます。
この本は、まさに “Girls, be ambitious.”(少女よ、大志を抱け。)を体現した、作家の林真理子さんが書きました。読書で「妄想力」を鍛え、野心を持って努力することの大切さを述べています。「人の一生は短いので、挑戦し続ける人生に一歩を踏み出そう!」というメッセージに勇気が湧きます。
『インディでいこう! : ナチュラル&インディペンデントな生き方実践ガイド』
- ムギ ディスカヴァー・トゥエンティワン 2006年
以前、非常勤講師として勤めていた大学の同僚に薦められて読みました。著者の「ムギ」こと勝間和代さんは、経済評論家ですから、女性の幸せについて経済的に分析しています。年収600万円以上稼いで自立している女性を「インディ」と呼び、年収300万円から400万円以上をのぞまないで、夫や親に依存して生きる女性を「ウェンディ」と呼びます。「ウェンディ」はピーターパンのヒロインで大人になることを拒否し、ピーターパンを待ち続けた少女です。
当時、30代で結婚した私は非常勤講師として2つの大学を掛け持ちで働いていましたが、年収は300万円に届きませんでした。どうしたら年収600万円以上稼ぐ「インディ」になれるだろうかと考えて、あきらめかけていた時、40代半ばで本校に常勤教員として勤務することが決まり、「インディ」の仲間入りを果たしました。その後、幸せな家庭生活を築きながら仕事や研究に取り組んで、充実した人生を送ることができています。皆さんは「インディ」と「ウェンディ」のどちらを目指しますか?
当時、30代で結婚した私は非常勤講師として2つの大学を掛け持ちで働いていましたが、年収は300万円に届きませんでした。どうしたら年収600万円以上稼ぐ「インディ」になれるだろうかと考えて、あきらめかけていた時、40代半ばで本校に常勤教員として勤務することが決まり、「インディ」の仲間入りを果たしました。その後、幸せな家庭生活を築きながら仕事や研究に取り組んで、充実した人生を送ることができています。皆さんは「インディ」と「ウェンディ」のどちらを目指しますか?
『女性を活用する国、しない国』
- 竹信三恵子 岩波書店 2010年
この本は、以前に勤めていた長野県の大学で、ジェンダーについて研究している同僚に薦められて読みました。日本では「男女雇用機会均等法」や「男女共同参画社会基本法」など、男女平等を定めた法律が整っていますが、実際は女性が活かされない社会であるといいます。国連開発計画(UNDP)では、女性の活躍度を見るために「ジェンダー・エンパワーメント指数」(GEM=Gender Empowerment Measure)のランキングを発表していますが、日本は109ヶ国中57位で真ん中よりも下だそうです。このランキングで上位の国は、女性の国会議員や管理職の比率が高く、男女の所得格差が少ないということで、スウェーデン、オランダ、オーストラリアなど欧米の国々が多いですが、驚いたことに日本はホンジェラスやベネズエラなど中南米の国々より低いのです。
スウェーデンでは女性を職場で活用することによって、女性が税や年金を負担できる働き手となり、税収が増えて福祉を充実させるという好循環を生み出しました。著者の竹信さんは、日本ではどうしたら真の男女平等を実現できるか分かりやすく解説していますので、ぜひ読んでみて下さい。
スウェーデンでは女性を職場で活用することによって、女性が税や年金を負担できる働き手となり、税収が増えて福祉を充実させるという好循環を生み出しました。著者の竹信さんは、日本ではどうしたら真の男女平等を実現できるか分かりやすく解説していますので、ぜひ読んでみて下さい。
『フジモト先生のビューティフル★アメリカ
~Some Stories in Missouri~』- 藤本直生 銀河書房 1995
この本は今から約30年前、私が長野県の中学校に勤めていた時に教え子のために書いた本です。本校の派遣留学先である University of Central Missouri(UCM)は、アメリカの中西部ミズーリ州にありますが、そこは長野県と姉妹州でもあります。そのような関係で、私は1992年の夏に派遣団の一員として3週間ほど、ミズーリ州で4つの家庭にホームステイさせていただく機会に恵まれました。本書は、私にとって初めて海外で体験した楽しいことや大変だったことを赤裸々に書きました。これからアメリカ留学を考えている人にお薦めの1冊です。
※2025年度の推薦本は図書館内のトピックコーナーに配架されています。(一部購入できないものを除く)