学生に薦める本 2004年版

佐々木 寛

『DAYS JAPAN(デイズ ジャパン)』創刊号

広河隆一編集 DAYS JAPAN 2004年3月20日号
現在の世界を知るために最も信頼できるジャーナリズムのひとつの姿として。写真というアートを通じて,世界を重層的にみる力を養うことができる。今必要なのは,生半可な「理想主義」よりも,絶望的な「現実」を正面から見すえる勇気である。

『ナショナリズムを越えて』

江口昌樹 白澤社 2004年
 「地域紛争」の最も深層で戦争の本質をとらえ,日常からの平和構築を実践してきた旧ユーゴのフェミニストたちの記録。ジェンダーと戦争の問題がいかに深くむすびついているのかを十二分に理解することができる。
[OPAC]

『ジェノサイドの丘(上・下)』

フィリップ・ゴーレイヴィッチ WAVE出版 2003年
題材は,1994年のルワンダで起こった虐殺の真実。
 100万人が殺された事実の背後には,「国際社会」という無責任のシステムがあった。
現代の「ジェノサイド」はわれわれとは決して無関係ではない。われわれは「アフリカ」への固定観念もまた,破壊しなければならない。
[OPAC]

『アウシュヴィッツは終わらない』

プリーモ・レーヴィ  朝日出版社 1980年
「現代」とは何だろうか?現代人であるわれわれの思考の出発点は20世紀の「強制収容所」の経験にある。
一人のイタリア人の経験とその記録を,今また読みかえすことによって,われわれは自らの位置を確認することができるだろう。
[OPAC]