学生に薦める本 2004年版

永井 武

『13歳のハローワーク』

村上龍著 幻冬舎 2003年
 この本の題名の意味は、自分の将来の職業を考えるのに13歳からでも早くないという意味である。自分が好きなことを見つけて13歳から取組めば、やがてその方面の一流の人物になる可能性が高い。そのための職種約550種について自然と科学、アートと表現、スポーツと遊び、旅と外国、生活と社会、何も好きなことがない、と大きく6つにわけて解説している。一読の価値がある。
 例えばテレビゲームを作る職業につきたい人は、本を沢山読むといいゲームが作れると13歳以上の人にアドバイスしている。アニメを作る職業につきたい人は、アニメ製作会社に弟子入りするとよい。歌手になりたい人は、1日8時間それを30日間カラオケを歌ってそれでも歌うのが楽しいと思えるか試して見るとよい。それでも楽しいと思える人は見込みがある。
 大学生になっても自分がやりたいこと、好きなことが見つからない人もいるだろう。それをこの本の著者は、好きなことに出会っていないだけと言っている。
 サラリーマンになりたいと思っている人は、自分はどのようなスキルをもって会社の仕事をするのか、という意識が必要である。いい学校、いい会社に入れば一生安泰という時代ではない。会社が不振になったら、そのスキルを生かして次の会社に転職する世の中であるからである。
 この本は、50歳まで嫌々働いて楽しくないまま生きたらそれは負けという姿勢で書かれている。
[OPAC]