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学生に薦める本 2004年版
広瀬 貞三
『日本の喜劇人』
- 小林信彦 新潮社 1977年
古川緑波、榎本健一、森繁久弥、伴淳三郎、三木のり平、山茶花究、有島一郎、堺俊二、益田喜頓、トニー谷、フランキー堺、脱線トリオ、クレージー・キャツ、宍戸錠、渥美清、小沢昭一、藤田まこと、白木みのる、てんぷくトリオ、コント55号、由利徹、藤山寛美、萩本欽一、たけし、などが登場。「由利徹はつねに、まず、自分を観客よりも低いもの、猥雑なもの、と規定しておいてから、おもむろに道化にとりかかる」。
『酒と博奕と喝采の日々』
- 矢野誠一 文藝春秋 1997年
笑福亭松鶴、トニー谷、水原弘、神田連山、三井弘次、桂文治、佐々木つとむ、藤山寛美、三遊亭圜之助、戸塚睦夫、伊藤一葉、桂文我、池田操、片岡市蔵、越路吹雪、などが登場。「舞台のために日常生活を犠牲にするのはよくあることだし、舞台人ならだれでもするが、自分が不器用だと言いつづけてきた越路吹雪は、日常そのものが舞台に出る前の準備だった。私はスターだと、自分で自分を信じこませようとする彼女」。
『突飛な芸人伝』
- 吉川潮 新潮社 2001年
月亭可朝、川柳川柳、林家木久蔵、ヨネスケ、石倉三郎、祝々亭舶伝、柳家小三太、マルセ太郎、古今亭志ん駒、桂文福、快楽亭ブラック、ポール牧、正司敏江、ショパン猪狩、桂小枝、月亭八方、坂田利夫、などが登場。「商売とはいえ、自分が捨てた元女房を手加減せずにドツキ倒した玲児もエラい。ドツキはさらにエスカレートし、しまいには敏江の背中へ玲児が飛び蹴りを食わせた。高座の床に這った敏江は『やるやないか』とニッコリ」。
『往生際の達人』
- 桑原稲敏 新潮社 2001年
計300名をこえる芸人・演劇人などが登場。「芸人」「孤独」「死亡記事」「自殺」「変死」「葬式」の6章からなる。「喜劇俳優の堺俊二も昭和四十三年八月十日、新宿コマ劇場の『爆笑大暴れ捕物帖』に出演中に脳出血で倒れた。そして二十五分後、舞台で演じた"おかん婆さん"の扮装で五十四歳の生涯を閉じている」。「芸術の世界でオリジナルなものを創り出そうとするすべての衝撃のずっと奥には、病理学上の孤独がかくされている」。