学生に薦める本 2005年版

高橋 正樹

『希望格差社会』

山田昌弘 筑摩書房 2005年
かつて、日本社会は大多数の人が中流意識をもつ平準化された社会でした。しかし、今日の日本社会は格差が拡大して、そのため社会が非常に不安定になっています。たとえば、池田小学校児童殺傷事件や仙台市アーケード街トラック暴走事件には、将来に希望を持てない人達の恨みと失望があります。本書は日本社会が格差社会になり、将来に希望を持てる層と持てない層の分裂してしまったことを分かりやすく書いています。読後感としては暗い気分になりますが、今の日本社会を知るためには必読の書です。
[OPAC]

『なぜ、世界の半分が飢えるのか』

スーザン・ジョージ 朝日新聞社 2003年
途上国の飢餓や貧困は人口過剰や天候異変だけではなく、世界経済の仕組みと多国籍企業が原因であることを食糧を例に取りながら分かりやすく分析している。南北問題の古典といってもよい良書です。
[OPAC]