学生に薦める本 2011年版

佐藤 広樹(中央キャンパス)

『海辺のカフカ』 上・下

村上春樹著 新潮社 2002年
孤独癖のある15歳の少年が家出をして「世界で最もタフな15歳になる」ことを決意し、四国へと向かう。そこで父親にかけられた呪いに立ち向かうことになる。一方、不思議な老人ナカタさんは「入り口の石」を求め東京中野区を発つ。二人の主人公によるパラレル進行であり、読み進めていくうちに「ある奇妙な事件」の真相が明らかになっていく。

ギリシャ神話・ジェンダー問題等、多くの要素を含んだ長編小説。卒論のテーマに選ばれることの多い本書。高校時代に出会い、深く感銘を受けた作品です。学生の皆様なら、よりリアルにカフカ君の見る景色を眺めることができると思います。

読後は下記を読むと更に奥行きが深まります。

『少年カフカ(新潮社)』(本書に関する読者からのメールに著者が答えた記録集)

『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです(文藝春秋)』(各メディアからの村上春樹インタビュー集)
[OPAC]

『世界おしかけ武者修行―海兵棒球始末記〈その2〉』(文春文庫)

椎名 誠著 文藝春秋 2008年
オジサンも子供も誰もが熱狂!日本・椎名さん発、浮き球三角ベース野球が世界へ飛び出した。モンゴル・韓国・インドシナからスコットランドまで。各国相手に椎名さん考案のスポーツを通して「睨み合いのプレイボール→肩くみ笑顔の集合写真へ」を果たしていく、痛快エッセイです。異文化の人間同士が繋がるためのきっかけは、意外にもシンプルかもしれません。留学を先に控えた学生へ、勇気が湧くような一冊です。著者の作品は在宅にして「爆笑海外旅行」が経験できるような作品ばかり。海外に出る前に、是非ご一読下さい。
[OPAC]