清水 岳(学務課)
今回「学生に薦める本」を教えてほしいと言われた時、本当に狼狽しました。
昔テレビで知識人の書棚をみせてもらう番組があった時、その方は「いや~はずかしいね~自分の裸をみられるよりはずかしいよ」とおっしゃられていて、読書とはそういうものかと納得した。
僕は裸をみられる方が、何千倍もはずかしい。このような悲しい読書量でみなさんに薦められる本などないので、「薦める」というより「単純におもしろかったです!」と自己満足した本を紹介させていただきます。
『そうだ、葉っぱを売ろう! 過疎の町、どん底からの再生』
- 横石 知二著 ソフトバンククリエイティブ 2007年
男は朝っぱらから大酒をあおり、女は陰で他人をそしり日々を過ごすどん底の田舎町。
この町でよそ者扱いされた青年が、町に山ほどある葉っぱをビジネスにしようと奮闘し、売上高2億6000万円まで育て上げるサクセスストーリー。活躍するのは70代、80代のおばあちゃんたち。人が、町が、明け方太陽が昇り、徐々に町を照らして行くように、再生していく様は感動です。「敵を知り、己を知らば、百戦危うからず」といいますが、実行することはなかなか困難。自分たちに今あるもの、今できることを冷静に分析し、見つけ出し、それを強みに変えて幸せになる。
読後感は爽快。「どんな環境でも真剣に考えれば、きっと活路を見いだせる。」と信じさせてくれる一冊です。