学生に薦める本 2024年版

熊谷 卓

今年も如何にして、自己の英語能力を向上させるかという見地から:You Tuber(s)が書籍なんか不要で、オンラインで英語を学んだ方が楽・効果的と言ってますが、それは「嘘」です(少なくとも効果的ではない)。

『Better the blood』

Michael Bennett Simon & Schuster UK Ltd 2023
NZミステリです。舞台はオークランドCBDで、手に取るように懐かしいです(私には)。連続殺人事件をマオリ族出身の女性警察官に取り組むというのが主要な筋ですが、英国によるN Z植民地化(マオリ族からの土地収奪や虐殺)も背景に描かれており、非常に興味深いです。最高に面白いよ!英語自体は結構、省略・N Z特有の表現もありますが、生きた英語であります!
[OPAC]

『大学入試無敵の難単語PINNACLE 420』

山崎竜成 アルク 2023

『英語を英語で理解する英英英単語TOEIC L&Rテストスコア800』

ジャパンタイムズ出版英語出版編集部 ジャパンタイムズ出版 2022

『英語を英語で理解する英英英単語TOEIC L&Rテストスコア990』

ジャパンタイムズ出版英語出版編集部 ジャパンタイムズ出版 2021
「聞く、話す、読む、書く」に際して英語の単語の十分な能力はマストであり、かつ、日本語話者は、それが決定的に少なく、全く足りないです(大多数)。もちろん、英語など使わないという生き方もありますが、それもなかなか、難しい生き方かと。そこで、最低限必要なボキャブラリーを蓄積するために、推薦します。
[OPAC]
[OPAC]
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『英語リーディングの鬼100則 : 機能文法の考え方を読解に応用』

富士哲也 明日香出版社 2023
知っている単語の「量」を増やすことに加えて、正確に読み取ることができないと、致命的な問題が起きます。例えば、入試(就職試験)、英検、TOEICといった場面ですね。また、留学やワーホリ考えている人であれば、visa 申請で「面倒くさい」英文に悩みます。英文の正確な読みそれを助けるために、推薦します。
[OPAC]
新聞

『THE JAPAN TIMES』

ジャパンタイムズ
英語ネイティブでない場合、できるだけ「キチンとした」英語を話すことを心がけることを強く勧めます。これは、日本語ネイティブでも同様(赤の他人から、友達のように話しかけられたら、ムッとします、私は)ですが。もちろん、くだけた用法を知り、活用することも時には必要かも知れませんが。正確な英語の用法を知っておく、そのためには、英字新聞の「精読」がベストでしょう。上記の新聞にはNew York Timesがバンドルされているので、そこの記事も是非読んでください。「新聞(日本語のそれを含め)を読め!」なんて「年寄り」みたいで嫌なのですが、英語のみならず、言語の標準(用法)を学ぶための最適な媒体なので、英字新聞、読んでください。不明な単語もしっかり、調べながら。

『8人のリアルな声で聞く!イギリス英語とアメリカ英語』

中西のりこ コスモピア 2015
「日本語英語でも通じる、日本語に引っ張られた発音でも堂々と!」いう人(著名な、大学語学教員ですら)時折、居ますが(最近特に多いような)、まったく信用しません。英語の発音は「できる」に越したことはありません。発音で人を評価する英語ネイティブ、実はとても多いです。そうすると、やはり、北米または英国、オーストラリア、N Zで話されている発音をモデルにしっかりと練習することを勧めます。その後、各地域の英語(フィリピン、シンガポール、インド、南アフリカ等)の英語に親しむことが良いかと。なお、ロシアのウクライナ侵略やイスラエルによるガザ侵攻について言及するアントニオ・グテレス国連事務総長の英語声明(スペイン語発音の影響強し)は心に響きます。上記の書籍は付属のC Dありで、有益です(好みでない「被収録著名人」(私の場合は、ロバート・ダウニー Jr.とイーロン・マスク)は聞かなくて良いです)。発音、ばかにしないでしっかりと。
[OPAC]

『英語脳スイッチ! : 見方が変わる・わかる英文法26講』

時吉秀弥 筑摩書房 2023
International Lawを細々と専攻しているせいか、たまーに、英語で報告・執筆してきました。でも、今一つ、伝わり方が弱い、反応がイマイチ(内容はそうだとしても)という経験があります。そこで、報告した・執筆しした英語も問題であったのではないかと、考えるようにしました(繰り返しになりますが、報告・論文の内容の問題はあえて脇に置きます)。
この原稿を執筆している現在(2024年3月14日)、米C B Sでは、Tik Tokの使用禁止につながる法案可決のニュースが流れています。何気なく映像を見ると、“Tik Tok helped grow my business!”と書かれた規制反対派のプラカードが目に入ります。そうです。こういった「無生物主語」が英語にはやたらと多いので、日本語ネイティブは違和感を覚えるのです。しかし、自然な英語で表現する(報告・執筆も含め)には、英語という言語の独自の構造(感覚)に慣れる方が近道です。前置きが長くなりましたが、そのような英語独自の構造の理解のマストとなる「英語脳」(英語ネイティブの言語感覚と理解しました)に親しむべくして書かれたのがこの書籍です。聞く、話す、読む、書くという4技能の向上に必読書かと。
[OPAC]
※2024年度の推薦本は図書館内のトピックコーナーに配架されています。(一部購入できないものを除く)