学生に薦める本 2008年版

大山 毅

『事故はこうして始まった! : ヒューマン・エラーの恐怖』

S.ケイシー著,赤松幹之訳 化学同人 1995年
事故が起きた時責任者を探し出して処罰してそれで終了としてしまうことはよくある話である。だがこれでは事故の再発を防止できない。なぜ、どうやって事故が起きたのかを解明し、再発防止策を立てることが大切なのだ。
  ヒューマン・エラーが原因で事故が起きるのはすべて機械のデザインと人間の認識・思考・行動の仕方とが一致しないことによるのだ。人間に適合するように物を設計することがいかに大事かということを人に理解してもらう方法は、事例を優れた物語として聞かせることである(この書籍より引用)。この書籍にはいくつかの事例について、なぜ、どうやってその事故が起きたのかが平易に解説されている。読み物としてもとても面白い。
 ページ数282、分厚い書籍であるが、独立した18の物語から構成せれているので一話ずつ読み進めるとよいだろう。
[OPAC]