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堀川 祐里
『この世界の片隅に』(DVD)
原作:こうの史代、製作:「この世界の片隅に」製作委員会、監督・脚本:片渕須直、出演:のん 他 双葉社、配給:東京テアトル 2016年
日本で暮らす多くの人々にとって、「戦争」のことに想いを馳せるのは、おそらく8月前半の十数日のことでしょう。私は研究者になるため、この数年間、毎日のように戦争のことを考えてきました。そのような中で、より多くの皆さんに戦争について考えてもらうためには、「ふつうの生活」の尊さについて考えてもらうことが重要なのではないかと思っています。このような問題意識に応えてくれるのが、映画「この世界の片隅に」です。
原作は、こうの史代の同名マンガであり、戦時期に広島県で見知らぬ土地に嫁いだ少女の毎日の営みを丹念につづった作品です。映画では、当時の広島や呉の街並みや建物を完全に再現することが試みられました。この作品の面白さ(うまくできているところ)のひとつは、当時の生活の様子を知ることのできるエピソードや品物を多く描いているところだと思います(映画を鑑賞するにあたり、『この世界の片隅に』製作委員会(2016)『「この世界の片隅に」劇場アニメ公式ガイドブック』双葉社を併せて読むと、時代感をつかむ手助けになります)。また、現代の人々にも多様性があるように、戦時期の人々にも多様性があります。この映画では、特に、登場する女性たちの多様性に着目すると、戦前の日本の女性の姿が少しわかってきます。今年、2019年12月には続編である、映画『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』が公開予定となっています。
「この世界の片隅に」は実写化もなされましたが(直近では、2018年7月から9月にTBS系「日曜劇場」で放送されました)、私はアニメーション作品であるからこそ伝わるメッセージがあると考えています。戦時期をテーマにした作品を鑑賞するとき、言わずもがなではありますが、「戦争を再び起こしてはいけない」という視点から作品を見ることは大切です。この作品では、そのことについてより深く考えるために、「ふつうの生活」が送れることの重要性について考えてほしいと思います。戦時期にも、現代日本に生きている私たちにも通じる人々の喜怒哀楽があります。「私たちが生きているいま・ここ」(『この世界の片隅に』製作委員会(2016)『「この世界の片隅に」劇場アニメ公式ガイドブック』「“世界への扉”としてのアニメーション」より)に想いを馳せてみましょう。
原作は、こうの史代の同名マンガであり、戦時期に広島県で見知らぬ土地に嫁いだ少女の毎日の営みを丹念につづった作品です。映画では、当時の広島や呉の街並みや建物を完全に再現することが試みられました。この作品の面白さ(うまくできているところ)のひとつは、当時の生活の様子を知ることのできるエピソードや品物を多く描いているところだと思います(映画を鑑賞するにあたり、『この世界の片隅に』製作委員会(2016)『「この世界の片隅に」劇場アニメ公式ガイドブック』双葉社を併せて読むと、時代感をつかむ手助けになります)。また、現代の人々にも多様性があるように、戦時期の人々にも多様性があります。この映画では、特に、登場する女性たちの多様性に着目すると、戦前の日本の女性の姿が少しわかってきます。今年、2019年12月には続編である、映画『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』が公開予定となっています。
「この世界の片隅に」は実写化もなされましたが(直近では、2018年7月から9月にTBS系「日曜劇場」で放送されました)、私はアニメーション作品であるからこそ伝わるメッセージがあると考えています。戦時期をテーマにした作品を鑑賞するとき、言わずもがなではありますが、「戦争を再び起こしてはいけない」という視点から作品を見ることは大切です。この作品では、そのことについてより深く考えるために、「ふつうの生活」が送れることの重要性について考えてほしいと思います。戦時期にも、現代日本に生きている私たちにも通じる人々の喜怒哀楽があります。「私たちが生きているいま・ここ」(『この世界の片隅に』製作委員会(2016)『「この世界の片隅に」劇場アニメ公式ガイドブック』「“世界への扉”としてのアニメーション」より)に想いを馳せてみましょう。