学生に薦める本 2019年版

河原 和好

『バイナリ畑でつかまえて』

山田胡瓜 スタンダーズ 2018年

AI・SNSなどの新しいテクノロジーを取り上げながら、日常生活でそのテクノロジーと人とのかかわりで起こるちょっとした不思議な事象を描いている短編漫画集。SFだけど「Science Fiction」より藤子・F・不二雄の「すこしふしぎ」という感じ。もともとはWebで連載されていてKindleで出版され、実際の本としても出版されたという経緯も最近の流れ。AIが話題となっているが、それが広まったらどうなるか、この漫画のようになるかもしれないし、そうでないかもしれない。想像をめぐらして、余韻を楽しむような漫画です。同じテーマを扱った連作漫画「AI(アイ)の遺伝子」も面白いです。
[OPAC]

『爆速! アルゴリズム: 毎日の生活がみるみるうちに変わる』

アリ・アルモッサウィ 東洋経済新報社 2019年
「アルゴリズム」を日常生活に応用してより便利に過ごそうという「ノウハウ」「ライフハック」本ということですが、「服を見つけるのに二分探索」「買物のスケジュールにスタック」「郵便物の仕分けにマージソート」「仕事を片付けるのに優先順位付待ち行列」「ネックレスを直すのに連結リスト」「本を並べるのに図書館ソート」などなど、本学の講義「プログラミング入門」「アルゴリズム」で扱っているような内容が実生活で役に立つという説明をして解説をしているので、より深く「アルゴリズム」を学びたい人、また「アルゴリズム」が難しい・とっつきにくい・分かりにくいという人にお勧めの副読本的な本です。
[OPAC]