「ニール・ヤング　/　ハート・オブ・ゴールド：孤独の旅路」は、「羊たちの沈黙」や「フィラデルフィア」のジョナサン・デミが監督したニール・ヤング（Neil　Young）のコンサーツアーのドキュメンタリー映画である。
　レディ・ガガの映画「スター誕生　/　A　Star　Is　Born」を観ていると、主人公のジャクソンのステージ姿が昔よく聴いていたニール・ヤングと重なった。気になったのでサントラ盤のライナーノーツを読んでみると、ジャクソンのステージはニール・ヤングを参考にしたこと、バックバンドとして現在のニール・ヤングのバックバンド【Lukas　Nelson　&　Promise　of　The　Real】が出演している事が記載されていて、納得した。嬉しくて懐かしかった。
　と、いうのは、高校時代にニール・ヤングの【Harvest】というアルバムの中の一曲【Heart　of　Gold】を折に触れて聴き、「I’ve　been　a　miner　for　a　heart　of　gold」という歌詞のこの曲を応援歌のように感じていたからである。ジャケットも鮮明に記憶している。
　ストリーミングやYouTubeなどでいつでもどこでも比較的気軽に観たり聴いたりできる便利な現在であるが、私の中学・高校時代には、お小遣いでレコード（CD以前の媒体）を厳選して1枚買うのがやっとであった。ようやく手に入れたレコードのジャケットにはアーティストの写真やライナーノーツ、歌詞や対訳などの情報が満載で、インターネットのない時代の貴重な情報源であった。物理的なレコード盤という存在もコレクション的で嬉しかった。
　ニール・ヤングは、皆さんのご両親が生まれる前から活躍しているシンガーである。そんな大昔のシンガーに皆さんは興味がないことを承知の上で、敢えて「孤高のカリスマ」と呼ばれているニール・ヤングを紹介したい。一度体験してみてください。

　併せて、一時代を築いたバンド　Rolling　Stones,　Led　Zeppelin,　Deep　Purple,　Queen　のCDやDVDも図書館で所蔵しているのでぜひ。

　ニール・ヤングの歌詞のような旅にはガイドブックは不要だが、時には良いガイドブックがあれば旅の助けになる。特に史跡を回る時には、優れた先人の紀行文が参考になる。
　ゲーテが見たローマのパンテオン、中浦ジュリアンが見たフィレンツェのヴェッキオ宮、と思うと旅の楽しさもひとしおである。司馬遼太郎が訪ねたアムステルダムの日本人学校も訪ねたい。

「イタリア古寺巡礼」　/　和辻哲郎著　（岩波文庫）　岩波書店　,　1991.9　　　
「イタリア紀行（全３巻）」　/　ゲーテ著　;　相良守峯訳　（岩波文庫）岩波書店　,　1960.4-1960.5　　
「オランダ紀行　」　/　司馬遼太郎著　（朝日文庫）朝日新聞社　,　1994.12
「クアトロ・ラガッツィ　:　天正少年使節と世界帝国」　/　若桑みどり著　集英社　,　2003.10　

　また、映画やコミックの舞台になった場所や好きなアーティストゆかりの地を回る「聖地巡礼」も楽しい。
「アニメ探訪真聖地巡礼ガイド」　/　真聖地巡礼委員会編,　カンゼン　,　2015.7　　
「アレン・ギンズバーグと旅するサンフランシスコ」　/　ビル・モーガン著　,　スペースシャワーネットワーク　,　　2010.8
「聖地巡礼　:　世界遺産からアニメの舞台まで」　/　岡本亮輔著（中公新書）　,　2015.2　

　「書を持てよ、町へ出よう！」である。
　図書館の本と共に旅に出る場合は大切に扱ってね。図書館からのお願いです。