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学生に薦める本 1996年版
宗澤 拓郎
ロンドン・ペストの恐怖
- ダニエル ディフォ/栗本慎一郎訳
1665年ロンドンでのペスト流行の状況を記録したもの、ペスト菌発見前のペスト対策 が見られるがかなり正確であった。現代のAID対応に反映させて、考えさせられるも のあり。
ハル・ライシャワー
- 上坂冬子 講談社
西洋美術館の松方コレクションで有名な松方正義の孫として生まれたハル、ライシャ ワー元大使夫人の伝記。日米両国にまたがって生きてきたこれゾ国際化人間である戦 前戦中戦後と変動の時代に生きた真の国際人、自分の考え方がしっかりしていて、特 に新潟の女性におすすめ。
もうきみには頼まない(石坂泰三の世界)
- 城山三郎
信念と実行力をもって生きた気骨の人の伝記。万博会長として苦労して成功させたの に、公式には政府のみの手柄としたやり方にひそかに不満をもらす泰三、現代の住専 処理に照らし合わせて、親方日の丸無責任体制への強烈な批判である。
カッコウはコッンピュータに卵を生む(上、下)
- クリフォード・ストール/池央化訳
ハッカーに関するセミドキュメントもの。ハッカーはどこまでやれるか、その結果ど うなるのか、そしてパスワード管理の重要性等コンピュータに関係する者として非常 に参考になる。
大変な時代---常識破壊と大競争
- 堺屋太一 講談社
これからの時代は国際化、高齢化、成熟化、情報化が一層進むが、その中味は、これ までの常識が通用しないほど大きく変わり、すべての面で変動の多い厳しい時代とな る。国際価格にたいして約2倍と高いわが国の官僚主導による閉鎖的管理社会は、真 の国際化により変革して行かないと国際的に孤立していく。これらの時代変化を踏ま え、日本人は今後の行き方を変えていく必要がある。自分の好きなことを自分で決め て生きて行くことが、必要なことである。今後の生き方について問題提起した本と言 えよう。
ビル・ゲイツ未来を語る
- ビル・ゲイツ/西和彦訳 アスキー社
パソコンの歴史から始まり、サイバースペース(マルチメディア)の今後の進歩・未来 予測を彼一流の分析を加えながら語っている。その内容は技術的にも非常に正確で、 このままでも、マルチメディアの教科書としても評価できるものである。特に情報シ ステムの学生には参考になる。