学生に薦める本 2006年版

苅部 恒徳

『ゲド戦記』

ル・グゥイン 岩波書店 2006年

『TheEarthseaQurtet』

Le Guin, Ursula K Puffin 1993
 この夏公開されたアニメ映画『ゲド戦記』は派手な前宣伝にもかかわらず、観た人たちの失望・落胆の声は大きく、評価は最低の星1つが多かった。
 『ゲド戦記』とは訳書の題名でわかりにくいが、原題は Earthsea で、海と多くの島々からなる著者の構想した架空世界のことである。ゲドとは四部作を通して活躍する魔法使いの名である。映画の失敗は、この四部作を基に人物と状況を勝手に入れ替えて、つまみ食いをした脚本にあると思う。宮崎アニメの衣装をまとわせたが中身が薄いものになった。そこで是非、翻訳でも原著(大学生の英語力で読める)でもよいから原作を読んでほしい。
 太古からの生き物である龍が飛び交い、魔法が使われる世界であるが、登場人物たちは、驕りと恐怖、喜びと悲しみ、勇気と失意を抱いて生きていかなければならない我々自身と同じで、感情移入しやすく読みやすい。
[OPAC]
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