学生に薦める本 2006年版

近藤 進

『北方の夢 近代日本を先駆した風雲児ブラキストン伝』

豊田有恒 祥伝社 1999年
 むかし、テレビが普及していなかったころのこと。毎夕6時ごろラジオで子ども向けの放送劇がありました。その中に「緑のコタン」という1年もののドラマがありました。幕末から明治初期のアイヌの少年とトーマス・ライト・ブラキストンという英国人の物語です。
 ドラマの詳細は忘れましたが、この中にエドモントンが出てきます。緑のコタンは書き物として残っていませんが、プラキストンの伝記歴史小説が「北方の夢」です。アイヌの少年は登場しませんし、エドモントンも数回出てくる程度です。軍人・探検家・博物学者・商人である主人公が、幕末から明治にかけて日本で活躍した?物語です。プラキストンラインに名前を残しており、生物学をやっている人なら知っているかもしれません。
 小説なのでどこまでが史実かという点はありますが、幕末から明治にかけて日本に大きな影響を与えた人物のひとりです。皆さんのご両親に「緑のコタン」という放送劇を知っているか聞いてみてください。
[OPAC]