学生に薦める本 2006年版

永井 武

『武士道』

新渡戸稲造 IBCパブリッシング 2008.6
 2006年ドイツで行われるワールドサッカ大会に、アジア予選を勝ち抜いた日本代表が出場するため5月26日に出発した。日本チームのユニフォームは青で、搭乗した飛行機の胴体やサッカ会場の横断幕に激励の意味を込めてサムライブルーと書かれている。我々の中にはサムライというと、刀を武器とする古くさいイメージをもつ言葉が、果して日本サッカチームの激励の言葉になるのか、と思う人がいてもおかしくない。

 しかし、以下の理由でサムライブルーは西欧の人々に日本人を十分にアピールする効果をもつ。

 日本の首相や外務大臣は1-2年で交替する。世界の人々に名前と顔とその人の考えが知られる前に変わってしまう。その結果、日本は知っているが顔が見えない、といわれ続けて来た。最近、野茂、イチロ、松井などがMLBで活躍し、日本人の顔として彼らを思い浮かべるアメリカ人は多いであろう。一方、ヨーロッパ人が日本人を知るメディアは、依然として新渡戸稲造が百年前に英語で書いた武士道なのである。武士道という書籍には日本人の魂という副題もつけられ、武士は責任感が強い正義漢、筋を通す信念の人、決断力がある果敢な性格をもつ、と紹介している。さらに、礼節を重んじ、恥を知り、卑怯なことを嫌い、金銭にはこだわらない、ことも書かれている。現代日本人に、世界に広まっているサムライ精神を再確認するために、サムライブルーに込められた意味を理解するために学生諸君の一読を奨める。
[OPAC]