学生に薦める本 2013年版

神長 英輔

以下は今年度の「すすめる本(資料)」です。
過年度のものも見ていただけるとうれしいです。
よい本は少々経ってもよい本です。

『A3』

森 達也【著】 集英社インタ-ナショナル
オウム真理教の一連の事件からもう20年ほど経ちます。
オウム事件で日本は確かに変わりました。
この本を読んで愕然としました。
ぬるま湯に浸かっているうちに,釜ゆでになりつつある自分に気づいてしまいました。
[OPAC]

『ネット・バカ - インタ-ネットがわたしたちの脳にしていること』

カー,ニコラス・G.【著】篠儀 直子【訳】 青土社
ネットをはじめIT依存は一種のドラッグです。
私自身,インターネット,新しいIT機器,サービスもろもろ,みんな大好きです。
しかし,意志は寄せ豆腐のように弱いのです。
だから,新製品はできるだけ買わず,PCに向かう時間を制限し,依存症にならないよう努めています。
[OPAC]

『生きる悪知恵 - 正しくないけど役に立つ60のヒント 文春新書』

西原 理恵子【著】 文藝春秋
少しも「悪知恵」ではないと思います。
お行儀がよくない表現は多々ありますが,この本は自慢も欺瞞もない「徳の高い」本です。
自分の人生についてまともに向き合えるのは知性の証です。
[OPAC]

『奇跡のリンゴ - 「絶対不可能」を覆した農家木村秋則の記録 幻冬舎文庫 』

石川 拓治【著】 幻冬舎
読みつつなぜか泣けてきました。
人間,素直に生きるほど,まじめに生きるほど,壁ばかりです。
「思想は富貴の身分から生まれるものではない」という白川静先生のことばを思い出し,また泣けました。
[OPAC]

『貧乏人の逆襲! - タダで生きる方法 ちくま文庫 (増補版)』

松本 哉【著】 筑摩書房
年が近く,同じ東京育ちのせいか,この本の多くに共感します。
生きる技術のマニュアルです。
本気で読めば,生きる力も湧いてきます。
[OPAC]

『独立国家のつくりかた 講談社現代新書 』

坂口 恭平【著】 講談社
私はしばしば,授業(インストラクター関係)で「みずき野から世界を変えよう」と本気で言います。
この本には地に足のついた「世界の変え方」が記されています。
[OPAC]

『一九八四年 ハヤカワepi文庫 (新訳版) 』

オーウェル,ジョージ【著】高橋 和久【訳】 早川書房
この本については長らくあれこれ言いつくされていますが,私は未読でした。
以前,あるイギリス人が「これはラブストーリーである」と書いていました。
そのことばにひかれて読みました。
その通りで,これはぞっとするほど生々しいラブストーリーです。
[OPAC]

『0点主義 - 新しい知的生産の技術57 』

荒俣 宏【著】 講談社
私もこの本を読んで,今の自分の勉強法に荒俣先生のやり方をかなり取り入れました。
学びの実用書です。しばしば読み返しています。
[OPAC]

『プチクリ - 好き=才能! 』

岡田 斗司夫【著】 幻冬舎
みなさんは好きなことしてますか。
実のところ,自分が得意なことを知るのは難しいのです。
この本を読んで自分を発見してください。

『アンダーグラウンド 』

監督:エミール・クストリッツァ アスミック (発売)
見た直後は暴力とエロティシズムが強烈に記憶に残ります。
しかし,やや経って振りかえると,これはラブストーリーでした。
現実世界はすべて夢幻で,愛こそがリアルです。
少し倒錯的ですが,この映画以来,私はそう思うようになりました。
[OPAC]