学生に薦める本 2013年版

岸野 清孝

『エネミー・オブ・アメリカ 』

監督:トニー・スコット 脚本:デビッド・マルコーニ ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
弁護士のディーン(ウィル・スミス)は、テロ防止を名目に「通信システムの保安とプライバシー法案」を作ろうとする国家安全保障局NSAの行政官レイノルズ(ジョン・ヴォイト)が反対派議員を殺害した現場を撮影したビデオテープを手に入れたことから、家族ごと命を狙われるはめになる。国家安全保障局NSAの陰謀に巻き込まれ、なぜ自分が狙われるのかわからないまま、自分の周辺では様々なことが起こっていく。そこで情報ブローカーのブリル(ジーン・ハックマン)との接触を図る。自分の狙われている理由を知り、NSAへと戦いを挑む。
1998年公開の映画であるが、近い将来、いやもう現実に起こり得る現代の監視社会の恐怖をスリリングな映像で体感できる。劇中あちこちに盗聴などで簡単にプライバシーが暴かれ、クレジットカードを使用不可とする情報操作が行われていくなど、ハイテク機器の脅威が描かれていくのも現代ならではの恐怖を感じさせる。本作でNSAが使う技術は、1998年の制作当時は研究開発中だったものもあるが、ほとんどが実際に使われているものだといわれている。
現在、犯罪・テロ防止のために監視システムの強化が進められているが、これによりプライバシーの侵害の恐れが生じる。どちらを優先するべきか、またその理由について考える機会としてほしいため、「情報リテラシーと倫理」の講義で提出課題として使用している。
[OPAC]