学生に薦める本 2013年版

内田 亨

『だれのための仕事 - 労働vs余暇を超えて 講談社学術文庫』

鷲田 清一【著】 講談社
社会人へ飛び立つ学生には、とても参考になると思う。下記のフレーズから、自分の考え方を確立してほしい。
「ひととしての限界に向きあい、それと格闘すること、そこに仕事の意味がある」 「仕事の意味をじぶんのほうからではなくその仕事がかかわる他人のほうからも考えてみる」「仕事の意味、働くことの意味ということではだれもがまず考える ものが二つある。ひとつは、他のひとのためになにか役立つということであり、いまひとつは自 己実現できるということである。前者はいつの時代にも言われてきたことであり、 後者は近年とくに言われていることである」
[OPAC]

『個人尊重の組織論 - 企業と人の新しい関係 中公新書 』

太田 肇【著】 中央公論新社
現在は、個人を尊重した組織はどうあるべきか、自分自身で考えていかなければ ならない時代かもしれない。しかし、著者は、次の通り述べている。「企業をは じめとする組織の内部における組織と個人の関係であり、そこでは従業員である個人に対してソフトな形であるが確実に統制が浸透していっている」。こうした状況で、個人が組織の中でどのように行動すればよいのか。逆に組織の側は、ど う個人を尊重すべきなのか。その一つの答えは、「人間にとって、自分の意思で判断し行動できる自律性が確保されていることは必須の要件である」と著者は述べている。
[OPAC]

『臨床哲学講義』

木村 敏【著】 創元社
私がリヨン経営大学の教授と話した時、現象学の話になり、「木村敏」の名前が出ました。私は皆目わからず、大変恥ずかしい思いをしました。こうした経験からぜひ、学生諸君にも一度は目を通してほしいと思いこの本を推薦します。
[OPAC]

『精神医学エッセンシャル・コ-パス 〈2〉 - 日本の名著論文選集 精神医学を知る 』

松下 正明【総編集】/井上 新平/内海 健/加藤 敏/鈴木 國文/樋口 輝彦【編】 中山書店
感情・気分の異常、躁うつ病、パーソナリティ障害、等々は、われわれの身近な問題であり、顕在化しつつある。とくに、社会に出るとストレスなどによってこうした症状を発症する可能性が少なくない。もしかして、就職活動などでも大きなストレスがかかるかもしれない。学生時代の今のうちに、こうした本を読んでおくのが予防にもなるかもしれない。
[OPAC]