学生に薦める本 2013年版

若杉 直樹(入試・広報課)

『天音。』

EXILE ATSUSHI【著】 幻冬舎
 今や日本を代表するアーティストとなったEXILE。そのEXILEのヴォーカルを務めるATSUSHIによる初エッセイです。内容は、プライベートなことから、テレビのオーディション番組で味わった挫折と絶望、リーダー・HIROを初めとする今の仲間たちとの出会い、EXILEのボーカリストATSUSHIとなってからの活動に至るまで、これまでの彼の人生の軌跡が収載されています。EXILEのヴォーカリストATSUSHIとして、そしてもう一人1人の自分、佐藤 篤志としての姿が書き綴ってあります。
 小さな恋を成就させるために、彼女を振り向かせるために、ただ有名になることを夢みた佐藤篤志の少年時代。音楽と触れ合うきっかけを与えてくれた父、どんなときでも息子を信じて応援してくれた母の姿。音楽専門学校に通学していたころ、切磋琢磨し、テレビのオーディション番組(ASAYAN)で味わった挫折と絶望の時期。人生のどん底ともいうべきときに、HIRO を初めとする仲間と出会って、佐藤 篤志からEXILEのヴォーカリストATSUSHI になってからの現在まで。順風満帆に見えるその後のアーティスト人生だが、かけがえのない相棒を失い、そして自分自身の声までも失った時期もあったという背景もあった。小さなことに悩み、苦しみながら、とぼとぼと道を歩き、いつか幸せに巡り合えることを祈りながら、バカみたいな失敗や挫折を繰り返しながら、手探りで人生を生きてきたATSUSHI。目まぐるしく行き過ぎる時間の中で疲れ果てたとき、ふと浮かんだ疑問――。「僕はどうして歌っているんだろう。どんな運命があって、ここにいるんだろう?」その答えを見つけたとき、何かが変わった。歌は、誰かのために、何かをするということの意味を教えてくれた。人は人を幸せにしたときに、初めて自分も幸せになれるということも――。過去を振り返り、美しい未来を希求し、今生きている奇跡と対峙しながら、秘めてきたATSUSHIの想いのすべて綴られているエッセイです。EXILEやATSUSHIが好きな人はもちろん、歌うことが好きな人、そして悩みを抱えている人にもぜひ参考に読んでほしい1冊です!
[OPAC]