図書館HOME>各種資料・学生に薦める本>学生に薦める本
学生に薦める本 2012年版
西山 茂
『就活生の親が今、知っておくべきこと』
- 麓幸子著 日本経済新聞出版社 2011.11
私が日経新聞の電子版に掲載されたこの本の著者の記事を読んで、これは是非とも読んでみないといけないなと思い読んだ本である。この本の著者の記事は、卒研1の学生に春休みに集まってきてもらったときに読ませた。その理由は、卒研1の学生の親は本書の著者より若干若い世代ではあろうが、本書の記述からするとその親はやはり就職にはそんなに苦労していなかったのではないか。そのため、親は今の就活状況が理解できず、頓珍漢な事を言う可能性が十分に。その時、親がなぜそのようなことを言うのかを学生が理解できるようにするためである。昔と違って、今の就活は親とともに取り組む必要があるのだから。実は私自身最近やっとこのことを理解ができるようになった。
本書は、大まかに4部に分かれている。最初は、著者自身のご子息と一緒に経験した就活の話、2番目は、現在の就職の社会的な状況、3番目は、就活中の学生の親に対するメッセージ、4番目は、就活生に対するメッセージである。
著者自身の経験談は、正直に語られていてなかなか面白い。ご子息の彼女が先に就職を決めたら、とたんに彼女に優しく接していた、などというのは、なんとなくわかるような気がする。また、就活で実施することが体験的に語られており、これも役に立つ。
2番目の就職の社会状況は、他の本でもよく触れられていることであり、それほど新鮮味はない。
3番目の親に対するメッセージは、普段就活などというものになじみがない(至極当たり前である)就活生の親に、今の就活がどのような状況で、子供をどうサポートしなければならないかが書かれていて、良いメッセージになると思う。
最後の就活生に対するメッセージも、良いメッセージであると思う。著者は日経ウーマンの編集長であるから、女子学生へのメッセージに力が入っている。就活をする女子学生には読ませたいと考えている。
また、この本にも就職してからの大変さ(要するに仕事の大変さ)が書かれているが、他書ではあまりにも強烈に書かれており、就活生に与えるダメージが大きいように思う。それに比べ本書はずっとソフトに(ただ歪みなく)書かれている。就活生に読ませる(薦める)本としては本書が妥当だと考える。
本書は、大まかに4部に分かれている。最初は、著者自身のご子息と一緒に経験した就活の話、2番目は、現在の就職の社会的な状況、3番目は、就活中の学生の親に対するメッセージ、4番目は、就活生に対するメッセージである。
著者自身の経験談は、正直に語られていてなかなか面白い。ご子息の彼女が先に就職を決めたら、とたんに彼女に優しく接していた、などというのは、なんとなくわかるような気がする。また、就活で実施することが体験的に語られており、これも役に立つ。
2番目の就職の社会状況は、他の本でもよく触れられていることであり、それほど新鮮味はない。
3番目の親に対するメッセージは、普段就活などというものになじみがない(至極当たり前である)就活生の親に、今の就活がどのような状況で、子供をどうサポートしなければならないかが書かれていて、良いメッセージになると思う。
最後の就活生に対するメッセージも、良いメッセージであると思う。著者は日経ウーマンの編集長であるから、女子学生へのメッセージに力が入っている。就活をする女子学生には読ませたいと考えている。
また、この本にも就職してからの大変さ(要するに仕事の大変さ)が書かれているが、他書ではあまりにも強烈に書かれており、就活生に与えるダメージが大きいように思う。それに比べ本書はずっとソフトに(ただ歪みなく)書かれている。就活生に読ませる(薦める)本としては本書が妥当だと考える。
本書は超訳と題されているが、超訳による抄訳である。君主論の全訳が記載されてるわけではない。
君主論が書かれた状況は、現在の状況とはかなりかけ離れている。しかし、君主論は、人間論であり、ある意味、優れた組織論であり、管理論である。著者はその点に着目して、君主論に書かれている事柄を現代に当てはめたらどうなるかを述べている。つまり、会社(組織)の中で生き残っていくために、マキャベリの君主論が役に立つ、といっているのである。
本書は、君主論に書かれているある文を選び出し、そこで述べられていることを現代に当てはめるとどのようになるかと、君主論と筆者の考えを対比させながら述べられている。
本書を読むメリットは2つある。
(ア)抄訳ではあるが、歴史的な著書であるマキャベリの君主論に触れることができる。
(イ)卒業して企業人となって行く学生に、企業人になったらこんなことも考え、行動しなければならないのだという、ある意味企業人になるシミュレーションを行うことができる。
とは言っても、やはり、翻訳で良いから(原著はイタリア語あるいはラテン語だそうで、原著を読むのは難しいだろう)一度君主論を読んでみて、その内容について自分で考えてみる方がいい。本書はそのとっかかりになる本ではある。
私はこの推薦文を書くにあたって、学生時代に読んだ君主論を本学の図書館から借りだして再び読んでみた。決して読みやすい本ではないが、大して厚い本でもない。一度挑戦して欲しい。ちなみに私が読んだ本は、岩波文庫の君主論である。この本は387ページあるが、君主論そのものは198ページで、残りは解説である。解説の文字が本文より小さいので、本文200ページ、解説250ページ~300ページくらいのボリューム感であろう。
本書を読んで次の点が特に記憶に残った。
(1)「・・・運命の神は女神だから、彼女を支配しようとすれば、荒っぽく扱う必要があるのだ。運命の女神は身長に近づくものより、征服の野望を露骨に現す者に従う。運命は女性だから、若者を好む。それは若者が思慮が浅く乱暴で、大胆に女性を支配するからである。」(超訳による)マキャベリの言(p180)。マキャベリの時代だからいいが、現代でこのようなことを言ったら袋叩きかも。
(2)ビルトゥ(実力)とフォルトゥナ(運命)。ちょっとかっこいい。たまに使ってみよう。
(3)「このように正義感は、我々人間が作り出した道徳ではなく、生存のために私たちに内在している本能なのだ、」(P173。許成準)。強気をくじき、弱気を助けるは、本能だというのである。そう言われればそんな気がしないでもない。