テレビでこのエチ先生が取り上げられた番組を偶然見たのをきっかけに本書を手に取りました。エチ先生はあの“超進学校”灘中学の元国語教師です。先生の授業内容は中勘助著『銀の匙』を中学校の3年間かけてじっくり読み込むというもの。その当時はもちろんですが今でもとても考えられないような授業です。先生の授業を受けた教え子たちは次々と京大・東大に合格し、灘中学校・灘高校は名門進学校となっていきます。

エチ先生の授業を受けた教え子たちは、単に大学受験で良い結果を残しただけでなく、「学ぶ力」「生きる力」を身につけたと言います。本書にはそんなエチ先生の魔法のような授業の様子が教え子たち（その教え子たちというのがまたすごい面々なのです）の証言を交えて書かれています。

明治45年生まれのエチ先生こと橋本武先生は100歳になる今でも『銀の匙』の新しいテキスト作りをされているそうです。そんなエチ先生のパワーを本書を読んで感じてみてください。

タイトルのとおり3人のおっさんが主人公の物語です。元剣道師範・柔道が得意な飲み屋主人・メカマニアの還暦幼馴染のおっさんが、毎回身近におこる事件をそれぞれの得意分野をフルに活かして解決していきます。その解決方法がすっきりとかっこよく、読んでいて気持ちがよくなります。次々に起こる事件は、悪徳商法や学校でのいじめ、万引きなど私たちの身近にも起こりそうな事件ばかりで、登場する人物たちの言葉に考えさせられる場面もたくさんあります。

おっさんたちの華麗な活躍をぜひ楽しんでください。

この作品は続編も出ています。図書館にありますので、一緒に手に取ってみてください。