学生に薦める本 2014年版

神長 英輔

『さよなら私 (角川文庫)』

みうらじゅん【著】 角川グループパブリッシング
大学生活は人生で最も自意識過剰な時期かもしれません。
そうした時期にこそおすすめしたい一冊です。
無常観はよりよく生きるための智恵です。
[OPAC]

『スタンフォードの自分を変える教室 』

ケリー・マクゴニガル【著】 神崎朗子【訳】 大和書房
「仏教的・禅的な智恵を科学的に説明すると、こうなる」という本です。
実は私、読んでもあまり「変わり」ませんでした。
それでも自分の生活を見直す大きなきっかけになりました。
[OPAC]

『自分を愛する力 (講談社現代新書)』

乙武洋匡【著】 講談社
自分を愛し、受け入れると、生きる力がわいてきます。
自分くらいは自分の味方でありつづけたいものです。
能動的に愛することを学びましょう。
[OPAC]

『本当に「英語を話したい」キミへ : Live your dream 』

川島永嗣【著】 世界文化社
私は「本当に話したい」ので読みました。
外国語に達者なスポーツ選手は多いです。
「日々の積み重ねがすべて」ということを知っているからでしょうか。

『豊かなアジア,貧しい日本 : 過剰開発から生命系の経済へ』

中村尚司【著】 学陽書房
アジアは豊かで日本は貧しい、その通りです。
それをバブル絶頂期の80年代末に説いた著者、まさに慧眼です。
本学近くの農村調査の話もあります。
[OPAC]

『日本海の成立 : 生物地理学からのアプローチ (改訂版)』

西村三郎【著】 築地書館
この本を読んでマリンピア日本海に行き、ナマコを撫でてきました。
推理小説のような謎解きが満載で興奮の連続です。
見慣れた日本海の見方が大きく変わります。
[OPAC]

『戦争とジェンダー : 戦争を起こす男性同盟と平和を創るジェンダー理論』

若桑みどり【著】 大月書店
骨の髄まで説得された斬新な戦争論です。
ジェンダー理論はいつも自分の脳の配線を変えてくれます。
戦争を起こさないために努力する。決意が新たになりました。
[OPAC]

『ドクトル・ジヴァゴ』

ボリース・パステルナーク【著】工藤正廣【訳】 未知谷
ページを繰るうちに作品のなかに迷い込んだ自分に気づきます。
行間からロシアの森の樹木が香り、革命や戦争の騒擾が聞こえてきます。
愛とは何か、人生とは何か。根源的なことを学べるノーベル賞作品です。
[OPAC]

『ヘンな日本美術史』

山口晃【著】 祥伝社
昨年、新潟市美術館でも画伯の展覧会がありました。
文化に確固たる起源などない、本当に新しいものはあとでわかる、などなど。
文化についての思い込みを鮮やかに軽やかに解体してくれます。
[OPAC]

『悩む力(正)・続 悩む力 (集英社新書)』

姜尚中【著】 集英社
どう生きるか、若者の悩みに真っ正面から答えてくれる名著です。
「悩む力」とありますが、別の標題でもよいのでは、と思いました。
誰もが初めてで一度きりの人生です。悩むことこそ知性の証です。
[OPAC]