学生に薦める本 2014年版

長谷川 知保(情報センター課)

『昨夜(ゆうべ)のカレー、明日のパン』

木皿泉【著】 河出書房新社
今年の本屋大賞の候補に上がった作品です。タイトルに惹かれて手に取りました。読み始めてから著者名の木皿泉とは、和泉努と鹿年季子のご夫婦脚本家のユニット名だと知りました。テレビドラマ「すいか」(2003年)や「野ブタ。をプロデュース」(2005年)などの脚本を手掛けているそうです。
主人公は、夫を亡くしたテツコさんと義理の父ギフの二人です。夫(息子)を亡くした後も二人は一緒に暮らし続けています。そんな二人の現在や過去、亡くなった夫(息子)・一樹や周りにいる色々な人たちの短い話が集められています。血の繋がりはなくても家族として暮らし続ける二人が、少しずつ大切な人・一樹の死を受け入れて行く様子が描かれています。悲しい気持が底にありつつ、のんびりとほんわかと優しい気持ちになれる作品です。
[OPAC]