学生に薦める本 2018年版

山口 潤(情報センター課)

『陸王』

池井戸潤(著) 集英社 2016年
 昨年、テレビドラマ化もされて話題になった小説です。とある町工場の社長と社員が一丸となり、新製品の開発で大企業に挑むストーリーは、池井戸作品の真骨頂です。舞台は埼玉県の行田市なのですが、新潟県にも同じような町工場が多くあるのではないかと思いながら、ドラマチックな展開にハラハラしながら読みました。父と息子の関係の描写も絶妙でした。言葉では言い表しにくい父子の絆を見事に描いています。
 550ページ余りの長編小説ですが、勧善懲悪の構図が分かり易く描かれているので、あっという間に読み進めることができ、読み終えた後の満足感も結構深いものがありました。
 新しいシューズを履いて、またマラソン大会に出たいなぁ。
[OPAC]

『スティーブ・ジョブズ (1)~(6)』(KCデラックス Kiss)

ヤマザキマリ(著) ウォルター・アイザックソン(原著) 講談社 2013-2016年
 小説は上・下巻があり、かなり読み応えのある内容でしたが、漫画で描かれたことで読みやすくなりました。創業者スティーブ・ジョブズが、アップルコンピューターを開発し、世の中に広めてゆくストーリーは、まさに事実は小説より奇なりです。
 本学も開学当時はMacintoshを使っていました。マウスカーソルを動かすGUIでコンピューターを操作できるようにしたのも、アップルコンピューターが先駆けです。352教室で初めてコンピューターに触った時のあの感動は今でも忘れません。当時はネットスケープナビゲータを使って、Yahoo!で海外のサイトをアクセスし、旅行計画を立てる課題だったような気がします。当時は画面表示が今よりもずっと遅くて、画面の上のほうから少しずつしか表示されませんでした。海外とつながっているから、時間がかかるんだなぁなんて思っていました。
 今やAppleはiPhoneの会社になってしまいましたが、天才エンジニアのウォズニャックと出会い、アップル社がどのようにして大きくなっていったのか、スティーブ・ジョブズという人物を通じてパーソナルコンピューターの進化の歴史の一部分を知ることができます。NUISの学生の皆さんには、是非知っておいて欲しい知識の一つだと思います。
[OPAC]