学生に薦める本 2018年版

宮崎 君子(情報センター課)

『図書館「超」活用術』

奥野宣之(著) 朝日新聞出版 2016年
この本は学生向けというより社会人の方に向けた「こんなに使える図書館」という内容の本です。
著者は図書館を使いこなすために「図書館司書」の資格も取ったという方ですので、図書館・利用者両側からの具体的な活用法が書かれています。

学生のみなさん在学中は勉強や研究のためや、読書や余暇を過ごすために図書館へ行くこともあるかと思いますが、これから社会に出てからはどうでしょう。
恐らくとても多忙になり、なかなか「図書館に行こう」とはならないでしょう。
仕事で必要な調べものなどももちろんネットでするでしょう。
著者が書いていますが、ネットでは「見たいもの」「調べたいもの」を直接検索するので検索結果は「すでに想像できていた範囲」にとどまります。「想像の及ばないこと」はキーワードを考え付くこともないので出会うことはありません。
ですが図書館は「歩き回れるインターネット」です。歩き回るだけで「求めていると自覚している情報」の他に「求めていると自覚してない情報」に出会えるのだそうです。
全く同感です。本の棚を眺めていると、「こんな本があるんだ」という新鮮な驚きがいつもあります。視野が広がる気がします。
仕事に関することだけではなく、(少し大げさになりますが)自分の生き方やこれからやりたいことなどのヒントやとっかかりが、図書館にはたくさんあると思います。
それなら本屋さんでもいいのではないかと思う方もいると思いますが、図書館と書店の違いについては著者も書いていますので読んでみて下さい。
なかなか時間が取れなくなっても、ふとした時に「図書館に行ってみよう」と思ってもらえたらいいなという思いを込めて、この本を紹介させていただきます。
[OPAC]