学生に薦める本 2015年版

山下 功

「フィンランドを知る」

北欧というと日本から遠い印象があるが、実は西欧や中欧よりも近く、フィンランドの首都ヘルシンキまで飛行機で約10時間で行くことができる。
フィンランドといえば、マリメッコやイッタラなどの食器類や、ノキアの通信機器が有名であるが、ここではシベリウスやトーベ・ヤンソンなどの芸術を中心に据えたい。

『シベリウス : 写真でたどる生涯』

マッティ・フットゥネン著 ; 菅野浩和訳 音楽之友社 2000.12
フィンランド人で最も有名な人物を挙げるとすれば、シベリウスであることは疑いもないだろう。今年2015年はシベリウスが生まれてから150年であり、フィンランドでは様々な周年イベントが催されている。
シベリウスが後半生を過ごした家である「アイノラ」は、ヘルシンキ郊外の交通が便利とはいえないところにあり、夏期しか公開していないにもかかわらず、年間2万人以上が訪れる観光地となっている。
なお、私事で恐縮であるが、シベリウスの交響曲第5番は家内と近づくきっかけとなった思い出深い曲である。
[OPAC]

『ムーミン童話全集』

トーベ・ヤンソン作・絵 ; 山室静訳 講談社 1990.6-1990.12(全8冊)
2014年はトーベ・ヤンソン生誕100周年にあたり、ムーミンがアニメ化された日本でも展覧会が企画され、今年初めには新潟県立万代島美術館でも巡回展示がなされた。
ムーミン童話はほのぼのした雰囲気というよりもむしろ、夏が短く冬が長い北欧の気候を感じさせる。それゆえ、日本や西欧の童話とは性格を異にしており、大人になってから読んでも考えさせられる内容である。
[OPAC]

『かもめ食堂』(DVD)

脚本・監督:荻上直子 原作:群ようこ バップ 2006.9
日本にフィンランドブームを巻き起こす契機となった映画。以前、新潟中央キャンパスでもフィンランド熱が流行したとのこと。
[OPAC]