学生に薦める本 2020年版

矢口 裕子

『アメリカ文学のレッスン』

柴田元幸 講談社 2000年

無敵の翻訳者として尊敬されながら、村上春樹の「シャドウ」とも噂される著者による、アメリカ文学へのいざない。
[OPAC]

『独立国家のつくりかた』

坂口恭平 講談社 2012年
躁鬱病をかかえながら、「いのっちの電話」で潜在的自殺予備軍との対話を続ける、建築しない建築家にしてミュージシャン、作家、料理人でもある著者の、21世紀サバイバル読本。
[OPAC]

『グレープフルーツ・ジュース』

オノ・ヨーコ 講談社 1998年
もともとは、1964年、英語・日本語のバイリンガルな「詩集」として出版された、前衛芸術家としてのヨーコの初期を代表する作品。エミリ・ディキンソンの短詩のようでもあり禅の公案のようでもある不思議な言葉の実験は、ジョン・レノンの「イマジン」の元ネタだった!(2017年、全米音楽出版社協会は「イマジン」をジョンとヨーコの共作と認定)
[OPAC]

『アナイス・ニンの日記』

アナイス・ニン 水声社 2017年
17歳から71歳までを綴った10冊の日記を1冊に凝縮。「わたしは昨日の女を脱ぎ捨て、明日の声になれるだろうか」と自問した、20世紀最大の日記作家の魂の旅。11歳から17歳までの少女時代の日記、『リノット』(水声社)も合わせて読みたい。
[OPAC]

『アナイス・ニンのパリ、ニューヨーク--旅した、恋した、書いた』

矢口裕子 水声社 2019年
アナイス・ニンが生き、愛したふたつの都市にゆかりの地をめぐり、著者撮影による写真、ニン作品からの引用に少エッセイを添えた、作家と2都市、20世紀文学・芸術へのガイドブック。
[OPAC]