学生に薦める本 2020年版

宇田 隆幸

『犬に名前をつける日』(DVD)

監督:山田あかね スモールホープベイプロダクション 2015年
この映画は、保護犬の話です。
小林聡美演じる主人公に取材をさせる形でドキュメンタリー映像が完成します。
犬に名前をつける=保護犬が家庭に引き取られることです。

我が家にも保護犬出身の雑種がいます。映像の中で野犬と言われている生い立ちです。
野犬の母犬に育てられたので、人間は危険とよく理解しています。
ビビりで人なれしていません。センターでは間違いなく譲渡不可と判定されていたことでしょう。
でもかわいいです。
3回脱走されて、そのたび行政の方に私がお説教されました。
それでもかわいいです。

名前がつかないまま、命を終わらせる犬も残念ですがいます。
そんなことに少しでも興味があったら観てもらいたい映画です。
[OPAC]

『Good Luck』

アレックス・ロビラ ポプラ社 2004年
発売当初、ベストセラーにもなった自己啓発本です。
小説、もしくは寓話の形式で話は進みます。

再会した旧友同士、片方は成功し、片方は成功しなかった。
そんな二人の間で「魅惑の森」の物語が語られます。
黒い騎士と白い騎士。
二人が目指すのは、7日目の朝に生えるという幸運のクローバー。
二人はそれぞれの方法で、クローバーの生える場所をリサーチします。
が、常に障害が待ち受けています。
そのとき、あなたはどうしますか?
すぐにその場所を教えてくれなかった人を恨みますか?
自分の不運を嘆きますか?
もしくは、うまくいかない原因を考え、自分で何かをしようと準備をしますか?
何事にも準備が必要です。
ラッキーは突然降ってきたりはしませんし、それを必ず受け取れるとも限りません。
いつか「ラッキー」に出会えた時、それをモノにできる人でありたい。
私も日々、学ぶこと、準備をすることを怠らないようにしています。
[OPAC]

『県庁おもてなし課』

有川浩 角川書店 2013年
人気の作家有川浩による小説。
テレビドラマにもなっているので知っている人も多いかもしれません。

これは小説ですが、作家の細かな考証力からふと考えさせられることが多いです。
何故行政のやることは一般人に伝わらないのでしょう?
行政は何を見てサービスをしているのでしょう?

それは、1つめのエピソード
「割引クーポンに設定された有効期限」から始まります。
えっ?と目からうろこなのは行政の方かも知れません。
そんな「伝わらないもどかしさ」と闘いながら、県庁おもてなし課は、観光誘致に成功を収めることが出来るか?

誰に対してのサービスか。
そんなことを考えずに、伝えたい人には届かないのかなと考えさせられます。
[OPAC]