学生に薦める本 2020年版

河原 和好

美貌の果実

川原泉 白泉社(花とゆめコミックス) 1987年
 図書館に漫画コーナーができるということで、お気に入りの漫画を紹介します。「花とゆめ」連載だった、いわゆる少女マンガですが、高校のときに友人(男性)から勧められて読んだらハマってしまいました。
 「美貌の果実」は山梨県の中小ワイナリーと大手メーカーと行基(!)とブドウの精(!?)が出てくるコメディーなのですが、最後はホッコリします。作者の人気投票では1位の漫画です。他の作品も収録されていて、そちらも和んで癒されます。
セリフやト書きが多く、蘊蓄なども書かれていて読むのに時間がかかるのですが、最後はあたたかい気持ちになるので、今のような時期には安心して読めると思います。

※コミックス以外に、白泉社文庫「美貌の果実」や、花とゆめCOMICSスペシャル(白泉社)「川原泉傑作集 ワタシの川原泉I」にも収録されています。
[OPAC]

「ちづかマップ」(全3巻)

衿沢世衣子 小学館 2012-2015年

「ぐるぐるてくてく」(1~3巻)

帯屋ミドリ LINEコミックス 2019-2020年

「ジグソークーソー 空想地図研究会」(1~2巻)

高舛ナヲキ 幻冬舎コミックス 2016-2017年
 「地図」を見るのが好きで小中学校では「地図帳」をよく見ていました。バーチャルな街歩きや旅行をしていました。大学に入ってドライブするときでも少し前まではカーナビでなく「地図」を使ってルートを探していました。さすがに現在はカーナビやグーグルマップを使っていますが、それでも「地図」を見るのは楽しいです。最近は「ブラタモリ」など街歩きをする番組も多かったのでよく見ていました。
 挙げてあるのはこのように好きなジャンルの「地図」がテーマの漫画です。「ちづかマップ」は高校の同級生と街歩き、「ぐるぐるてくてく」は高校の「散歩部」の話、「ジグソークーソー」も高校の「空想地図研究会」の話で、まさに地図を使ったミステリーでなぞ解きをしていきます。
 残念なのは扱っている地域が東京など関東近辺なところで、だれか新潟でこのような漫画を描いてくれると嬉しいのですが・・・。個人的に高校の文化部には「究極超人あ〜る」とか「映像研には手を出すな」とか、憧れがあります。実際に外出や街歩きが自由にできるように早くなってほしいです。
[OPAC]
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「決してマネしないでください。」(全3巻)

蛇蔵 講談社 2014-2016年

「ハルロック」(全4巻)

西餅 講談社 2014-2015年

シブすぎ技術に男泣き!」(全3巻)

見ル野 栄司 中経出版 2010年
 こちらは理系の漫画です。「決してマネしないでください。」はNHKでドラマ化もされました。理系(実験系)の大学で研究室の学生が起こす変な実験(変だけど科学的に正しい)によるドタバタエピソードが笑えます。間に科学者の紹介が入るので学習もできます。
 「ハルロック」は理系女子が電子工作で問題解決しようとするのですが、やはりドタバタ。最初のうちは無茶なことになりますが、最後は夢がどんどん広がっていきます。「情報処理演習H」でも扱うラズベリーパイやセンサーなども出てきて、音声認識や画像認識なんかもしています。
 見ル野 栄司さんは元技術屋さんの漫画家で、理工系のモノづくりに関するものが多いです。このシリーズもエンジニアの姿を紹介してくれています。世間にはあまり知られていない技術を扱っている会社や、それを開発した人物などが扱われていてとても興味深いです。
[OPAC]
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