学生に薦める本 2020年版

西山 茂

『Asimov's Guide to the Bible: Two Volumes in One, the Old and New Testaments』

Isaac Asimov Wings Books 1981年
 英語好きの教員の個人的意見です。専門的立場からの意見とは異なるかもしれません。
 私の好きなSF作家であるIsaac Asimov(1992年没)が書いたキリスト教の聖書の解説書である。
 本書はもともと旧約聖書と新約聖書の2巻に分かれていたものを1巻に集約したものだそうで、英語で1295ページある。
 Asimovが得意の筆で旧約聖書と新約聖書を興味深い物語風な解説書に仕上げている。
 実のところ、私も全編は読んではいないのあるが(購入してから10年以上経過しているのに。。。)、西洋キリスト文明の根底に流れる考え方が理解できるため、本学の英語を専門とする学生に必読の書であろうと思う(他にも聖書の解説書はあるので、もちろんそちらでも良いと思う)。また、当たり前であるがキリスト教関連の単語が頻出するため、最初は辞書が離せないが、それらの単語を身に着けることができれば、新聞、雑誌、論文を読むうえで必ず役に立つ。米国などでは、日曜礼拝行く人はあまりいなくなった言われているが、生活の中にキリスト教由来の日常語あるいは言い回しは多く残されているようである。この本によって、日常会話の中に紛れ込んでいるキリスト教由来の単語・言い回しも理解できるようになり、キリスト教圏で育った人たちとのコミュニケーションにも役立つと考える。
 この本は絶版になっているようであるが、Amazonでは2万円ほど、アメリカのAmazonでは50ドルほどで買えるようである(もともとは14.99ドル)。また、次のURLからPDF版を無料でダウンロードできるようである。

  >>https://www.holybooks.com/asimovs-guide-to-the-bible/

『The Language Wars』

Henry Hitching Picado 2012年
 英語好きの教員の個人的意見です。専門的立場からの意見とは異なるかもしれません。
 英語の言語としての成立や文法、単語が現在のようになるまでの歴史を興味深く解説した本である。
 英語が現在の姿になるまでに、外国語として学ぶ我々と同じような苦しみを英語を母語する人たちが、味わってきたことも書かれていて、興味深い。
 本書の英文はそれほど難しくないと思うが、文法関係の用語や歴史的な用語が出てくるため、辞書は手放せない。これらの単語を習得すればより深く英語に触れられるようになると思う。
 この本も実は途中までで読み止まっているのであるが、本学の英語を専門とする学生にはぜひ読んでおいて欲しい本ではないかと考える。
 ページ数は、本編が337ページ、NotesとIndexが69ページあり、英文の読み物としては普通の長さであると思う(英語の小説は500ページを超えるものが結構ある)。
[OPAC]

『1,000 Most Important Words』

Norman Schur The Random House Publishing Group 1982年
 英語好きの教員の個人的意見です。専門的立場からの意見とは異なるかもしれません。
 この本は、解説部分の長い一種の辞書である。各語の語源(Etymology)についても詳しい。
 英語を母国語とする人々がスピーチや書き物を印象付けるために使用する、普段あまり使わない言語を正しく使えるように、1000の単語を解説した本である。確かに、私では普段あまり見かけない単語だらけである。ここに掲載されている単語をうまく使えるようになったら、外人(Native、Non-Native)から、一目置かれるかも。
 ちなみに、この本の米国Amazonの紹介文は次のようになっている。
Based on the contention that we do not utilize speech to its fullest extent, this guide is an essential aide to unlocking our "passive" vocabularies and developing a keener appreciation of the richness of language.
 この本を読むとき最初は電子辞書(英和)を使っていたのであるが、ある日家の隅から昔使っていた The Random House Publishing Groupのポケット版の“American Dictionary”(英英)を見つけ出し、今はこれを使っている。この辞書は、出張などで外国に行くときは必ず持ち歩き、街を歩いていて知らない単語があると片っ端から引いた思い出がある。電子辞書の時代であるが、この紙の小さな辞書もなかなか良い。
[OPAC]