学生に薦める本 2020年版

高井 英希(情報センター課)

『そして歩き出す サッカーと白血病と僕の日常』

早川史哉 徳間書店 2019年
新潟市西区出身の早川史哉選手は、アルビレックス新潟ユース所属時代、FIFA U-17ワールドカップ メキシコ大会で、日本代表の主将としてFWからDFまでプレーして3得点を挙げました。
当時のメンバーには、中島翔哉、南野拓実、室屋成、植田直通、中村航輔と今のフル代表が揃っています。

筑波大学を卒業して、ルーキーながらいきなり開幕スタメンを勝ち取った早川選手は、リーグ戦3試合とカップ戦1試合に先発フル出場をしたものの、4月24日の名古屋戦後にリンパ節の腫れを訴え、病院で検査を受けた結果、急性白血病と診断されました。
急に疲れて、股関節が痛くなっていた彼は、急性白血病と診断され「原因がわかりホッとした」と語ります。
皆さん、卒業して就職した最初のゴールデンウイークで、いきなり大きな病気になってしまったらどう振る舞いますか?

「アスリート」と「フツ―の人」、「フツーの人」と「病気の人」の境目ってなんだろう?
この本には、短い期間で彼がこの間を駆け抜けた様子が書かれています。
単なる闘病記としてではなく、クラブ、病院、家族、友人、社会との繋がりが彼の眼を通して描かれています。
[OPAC]

『リラックスのレッスン~緊張しない・あがらないために』

鴻上尚史 大和書房 2019年
今の世の中、人前に出ない訳にはいきません。
大学の授業で、就職活動で、社会人になってもずっと人前で話すことを避けては生きていけない時代なのです。
でも、人前で話すのはみんな苦手ですよね。得意で好きな人の方が少ないと思います。
演劇の演出家の視点から、緊張するのは当たり前のことだ。あがってしまうことを恥ずかしがったり、落ち込んだりする必要はないということ。緊張をコントロールする。人前でリラックスする方法について、俳優志望でない人にもわかりやすく伝えようという本です。
[OPAC]

『64 ロクヨン NHKドラマ版』

NHKドラマ NHKエンタープライズ 2016年

『64 = ロクヨン』

横山秀夫 文藝春秋 2012年
横山秀夫の同名小説が原作。(本学蔵書 913.6/Y79 10086436)
地方警察の広報官が主人公。警察の広報室と記者クラブの対立、時効間近の未解決事件の捜査を舞台に、組織の中で葛藤しながらも己の信じる道を貫こうとする、ピエール瀧主演の骨太なドラマ。
2015年にNHK「土曜ドラマ」にて全5回で放送。
2016年に『64-ロクヨン- 前編/後編』の2部作として佐藤浩市主演で映画化され、佐藤浩市は、日本アカデミー賞 最優秀主演男優賞を受賞していますが、ピエール瀧主演のNHK版のほうが好きです。

ピエール瀧、新井浩文が出演しており、NHKはアーカイブス配信を停止。オンデマンドで視聴できなくなってしまいました。(2020年3月時点でピエール瀧はコカインで有罪判決、執行猶予中。新井浩文は強制性交での有罪判決を不服とし控訴中。もちろんドラッグやレイプは最低の行為です。)
二人ともとても良い役者で良い映画・ドラマにたくさん出演していただけに、観たい時に観られないのが残念。
Netflixをはじめ、ストリーミングの独占配信・オリジナル作品が増える中、提供する側の判断で、過去の名作を観る機会が奪われるのは残念なこと。「だったら録画保存させろよ」と言いたい。サブスクでCD、DVD、Blu-rayらの現物を所有しないことが多くなってきた昨今みなさんはどう思いますか? ということでアーカイブとしてリストアップしました。
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『チャンネルはそのまま!』

佐々木倫子 小学館 2008年

『チャンネルはそのまま!』(DVD)

HTB開局50周年ドラマ HTB北海道テレビ 2019年
北海道のテレビ局を舞台に「バカ枠」で採用された?新人記者の奮闘を描いたコメディ漫画。
地方テレビ局内の仕事の内容も描かれていて興味深かったです。

2018年6月25日、北海道テレビ放送(HTB)の開局50周年記念作品として連続ドラマ化されました。
地方局で連続ドラマを作成するのは大変だったと思いますが、おもしろい。
日本民間放送連盟賞のテレビ部門全体においてグランプリを受賞。ドラマがグランプリを受賞したのは史上初だそうです。
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『映像研には手を出すな!』

大童澄瞳 小学館 2016年

『映像研には手を出すな!』(DVD)

NHKアニメ NHK 2020年8月
高校でサークルを結成し、アニメを作成するお話。
NHK日曜深夜のアニメで、この作品を知りました。
NHK総合で2020年1月から3月まで全12話。とにかく素晴らしく、毎週日曜が待ち遠しかった。
主人公浅草みどりの声を、女優伊藤沙莉が担当しているのが良い感じです。
頭の中の空想世界が、絵となり、動き、音が付く。アニメが出来上がる行程をアニメで表現したのが良いと思います。実写ドラマ・映画化されるそうですが、どうかなぁ。あまり期待はしていません。
原作マンガと併せ、NHKのアニメが2020年6月に発売予定とのこと。今からリクエストしておきます。
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