学生に薦める本 2021年版

臼井 陽一郎

日本という国のありかたについて考えるためのリストを作ってみました。小説は真のリアリティに入り込むための大切な媒体です。どうか、下記の全てを読んでみてください。半年もあれば読めると思います。国際なるものにつき思考を研ぎ澄ませていくために絶対的に必要になるのが、足下にあるこの国のあり方です。自らの生活世界から離れて国際なるものを理解することはできません。歴史の奥底に入り込みつつ歴史のリアリティをつかみとってくる文学の力の凄さに、ほんの少しでも意識を向けてみてくれたらなと、願っています。

『大地の子』(全3巻)

山崎豊子 文藝春秋 1991年
中国との関係からみえてくる日本。
[OPAC]

『熱源』

川越宗一 文藝春秋 2019年
アイヌとの関係で見えてくる日本。
[OPAC]

『宝島』

真藤順丈 講談社 2018年
沖縄との関係で見えてくる日本。
[OPAC]

『終りし道の標べに』

安部公房 講談社 1995年
満州から見えてくる日本。
[OPAC]

『異族』

中上健次 講談社 1998年
日本に住むありとあらゆる差別される人びとから見えてくる日本。
[OPAC]

『邪宗門』

高橋和巳 河出書房新社 1970年
日本内部の新興宗教集団のまなざしから見えてくる日本。
[OPAC]

『ふがいない僕は空を見た』

窪美澄 新潮社 2010年

『晴天の迷いクジラ』

窪美澄 新潮社 2012年

『やめるときもすこやかなるときも』

窪美澄 KADOKAWA 2021年

『ははのれんあい』

窪美澄 集英社 2017年
日本の家族の現在から見えてくる日本のリアル。
[OPAC]
[OPAC]
[OPAC]
[OPAC]