学生に薦める本 2016年版

小林 満男

『ビジネス思考実験-「何が起きるか?」を見通すための経営学100命題』

根来龍之 日経BP社 2015.12
 著者の根来龍之先生は、技術者の私が法人営業という部署に異動となった際、業務の必要性から経営について本格的に学ぶべく入学した社会人大学院時代の恩師である。20年も前から現在に至るまでの先生が主張されてこられた考え方をとりまとめた本である。主に経営現場のマネージャたちに向けて書かれているが、これから経営学の理論や考え方を学ぶ上でのポイントや陥りやすい点を丁寧に説明している。
 大学の「経営と組織」の参考書として、また経営コースの学生が企業を対象とした卒業研究を行う上で大いに役立つと思われるので、ぜひ読んでみてほしい。
[OPAC]

『働く。なぜ?』

中澤二朗 講談社現代新書 2013.10
 キャリア開発や就職ガイダンスの副読本として、ぜひ読んで欲しい本である。就活は長くてもせいぜい1年かそこらだが、その後の職業人生は、好むと好まざるとにかかわらずおそらく40年ぐらいは続くと思われる。就活の前に、そもそもなぜ働くのか、どんな仕事をしたいのか、それはなぜなのかを自分なりに納得できれば、就活は案外とスムーズにいくのではなかろうか。
 「職業人生40年」の土台はいつ作るのだろうか。土台が深ければ深いほど、また土台がしっかりしていればいるほど、その後の人生はそれだけ“拓けていく”はずだと思いながら、本気でこの本に向き合って頂きたい。この本の底流には『希望』というメッセージが隠されているような気がしている。
[OPAC]