学生に薦める本 2016年版

神長 英輔

『チベット旅行記 上・下』

河口慧海 講談社学術文庫 上2015.1 下2015.2
 偉大な学者の大冒険なのですが、気負ったところがなくていいです。何度も窮地に陥りながらも助かったのは、ただ学びたいだけという誠実な人柄のなせるわざです。かくありたいし、かく学びたいものです。また、不潔さもここまで極まるとおもしろく読めます。飽きない大長編です。
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『ボタン穴から見た戦争』

スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ 群像社 2000.11

『戦争は女の顔をしていない』

スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ 群像社 2008.7
 昨年のノーベル文学賞作家です。一人一人の人間の生身の身体を通すと戦争の暴力性はより深く理解できます。読みながら心がきりきり痛みますが、「そのときそこにいたのは私である」と思って読みたい1冊です。血の通ったことばで戦争を知りましょう。
[OPAC]
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『10年間勉強しても英語が上達しない日本人のための新英語学習法』

ロジャー・パルバース 集英社インターナショナル 2015.3
 語学本が好きです。読んでは自分で試し、うまくいったらロシア語の授業に生かしています。おかげでロシア語の授業は(やっていて)いつも楽しいです。
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『オヤジ国憲法でいこう!』

しりあがり寿、祖父江慎 理論社 2005.7
 若いときに戻りたいとは思いません。モテなくても、カネがなくても、友だちがいなくても、幸せになれます。心配ご無用です!
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『植民地としてのモンゴル』

楊海英 勉誠出版 2013.6
 東北アジアの近現代史を深く理解するためにはモンゴルを知る必要があります。モンゴルから中国、ロシア、日本を見るということです。植民地主義の根は思いのほか深いのです。
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『男子の貞操』

坂爪真吾 筑摩書房 2014.4
 男子こそ貞操(!)です。男子も性的存在としての自分にまじめに向き合いましょう。男子を知りたい女子にもおすすめです。
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『人に強くなる極意』

佐藤優 青春新書 2013.10

『「ズルさ」のすすめ』

佐藤優 青春新書 2014.12
 佐藤先生には実際に教えを受け、お世話になりました。宗教的な倫理観に裏打ちされた功利主義に触れると私はむしろ安心します。禅にも通じます。
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『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』

増田俊也 新潮社 2011.9
 読みすすめるにつれ、自分の生身の身体を意識せざるを得なくなります。私ですら血湧き肉躍る体験です。頭で考えず、体で考えたいものです。
[OPAC]