学生に薦める本 2016年版

佐藤 学(キャリア支援課)

若者と労働 「入社」の仕組みから解きほぐす

濱口桂一郎著 中央公論新社 2013.8
 大学生の就職活動スケジュールが2年連続で変更となりました。影響は?と聞かれますが、前例がないので終わってみないとわからない部分がありますが、少なくとも前年度より早い段階で企業の選考会が行われ、内定が出ている状況です。景気の回復で求人数は増え、学生にとっては売り手市場と言われています。前年度県内の就職率は98%を超え、就職を望めば大部分の学生が就職している状況です。日本の雇用形態とはいかなるものかを考えた時、この本を読むことを推奨します。
 欧米では、若者の就職難についてよくニュースで見かけます。日本の雇用と海外の雇用との違いは何かを知ることができます。新卒として考えたとき、日本はできるだけ多様な業務に対応できる人材を雇用し、欧米では技術を持った人材を雇用する。当然、後者はキャリアのある中途採用が主となりますが、日本では人間力で採用を判断するため、色のない人材を好みます。
 入社の仕組みを知ることで、日本における新卒の優位性と採用時に何を求められているかがわかります。就職活動に入る前にぜひ読んで欲しい一冊です。
[OPAC]