学生に薦める本 2016年版

山口 潤(情報センター)

『システムはなぜダウンするのか : 知っておきたいシステム障害、信頼性の基礎知識 』

大和田尚孝著 日経BP社 2009.1
 日経コンピュータ監修の「なぜ○○のか」シリーズの中でも、大変読みやすい一冊です。
 実例をもとに、システム障害が発生する原因を分かりやすく解説しています。
 学生(特に情報システム学科の学生)の皆さんは、正しく動作する情報システムを作り、経営で活用することを日々勉強されていることと思います。
 それと同じくらい、情報システムが動かなくなった時の対処方法や原因追究方法を知っておくことも重要です。
 なぜなら、情報システムをイチから開発することよりも、誰かが開発した情報システムを導入したり、運用したりする機会の方が多いからです。
 情報系の企業に就職したら、新人社員の頃は、誰かが書いたプログラムコードを追う(読む)ことが仕事の大半を占めるでしょう。
 更に最近では、開発ツールが発達して、そこそこ動く(動いてしまう)プログラムが簡単に書けるようになりました。変数を正しく宣言しなくとも、動いたりします。
 しかし、システムが止まる(ダウンする)原因は、得てしてこのようなこと(変数の型違い)なんてことも。
 さまざまなしくじりを学ぶことは、情報システムを開発する上でも非常に大切なことなのです(あの番組も結構好きです)。
 また、本書では金融関連(ATMがダウン)の事例が多く掲載されています。
 情報文化学科・国際文化学科の皆さんでも、金融系の企業の就職を希望する方であれば、少し難しい内容かもしれませんが、一読されることをオススメします。
[OPAC]