学生に薦める本 2017年版

小林 満男

『管見妄語 グローバル化の憂鬱』

藤原正彦 新潮文庫
日曜日の午後、何もすることがない時に、ふと手にした本が新田次郎を
父に持つ藤原正彦氏の文庫本「管見妄語 グローバル化の憂鬱」であった。
題名の管見妄語とは、視野の狭い考えとか不実な言葉という意味らしいが、
読んでみれば全く題名にそぐわない先を見越した多様な視点からの考えが
淡々と述べられている。
本屋で立ち読みしていたらつい手元に置きたくなって、500円でお釣りが
くる本書を早速購入し、一気に読み終えてしまった。
数学者である藤原氏が「第二章 世事はすべて灰色なのだ」と述べている
ところなどはおおいに気に入った。
普段の授業では学べないことがたくさん詰まっている本書で、ぜひ脳に
新鮮な知識をおくってほしい。
[OPAC]

『すべてわかるIoT大全2017』

日経コンピュータ [ほか] 編 日経BPマーケティング 2017.1
昨今、毎日のようにAI(人工知能)とかIoT(Internet of Things)が
新聞やテレビで取り上げられ、これらに関する新刊本も続々登場している。
本書は、IoTについての基礎的な事項から実際の利用例や今後について
網羅的に描いているが、正直なところかなり難しい内容も含まれている。
本学で情報システムを学ぶにあたって、ぜひ第1章だけでもいいので
読んで頂きたい。IoTというものがどんなものかを手っ取り早く理解
することができるだろう。
そして、第2章の企業における先進事例にも目を通して頂きたい。
できれば、自分なりにIoTを使ったサービスや新規ビジネスについて
思いを描いてみてはどうだろうか。そのアイデアをラズベリーを使った
組込み制御演習を行う「情報処理演習W」で実際に形にしてみるのも
おもしろいだろう。
さらーっとでいいので本書に目を通してから、「情報システム」などを
受講すると、きっと授業がより身近に興味深く感じられるはずである。
[OPAC]