学生に薦める本 2017年版

星野 元(理事長)

『街道をゆく 耽羅紀行』

司馬遼太郎 朝日文庫 1990.8

『街道をゆく オランダ紀行』

司馬遼太郎 朝日文庫 1994.12

『街道をゆく 羽州街道、佐渡のみち』

司馬遼太郎 朝日文庫 2008.10

『街道をゆく 北海道の諸道』

司馬遼太郎 朝日文庫 1985.7

『街道をゆく 南蛮のみち』

司馬遼太郎 朝日文庫 1988.11

『街道をゆく 台湾紀行』 他 (街道をゆく全巻)

司馬遼太郎 朝日文庫 2009.5
 また、司馬作品の紹介である。1996年1月から週刊朝日に連載され、同年11月から単行本が刊行された。第一巻「湖西のみち、甲州街道、長州路ほか」から未完の第四十三巻「濃尾参州記」まで「街道」の旅は続いた。
 連載は残念ながら著者急逝により二十五年で途絶えたが、興味を引きそうな「街道」からでよい。一度は全巻を読み進めてほしい。私は司馬の歴史小説が最も好きなのだが、膨大な作品群であり、いちいち紹介する余裕がない。そこで「街道」を取り上げてみた。
 定住せずに生涯を終えるモンゴルの遊牧民にあこがれる著者。「街道」は、その土地と人々の何百年という歴史と対話しながら旅をしてゆく。新聞記者出身で直木賞作家の葉室麟は同じ記者出身の司馬について「ノンフィクションが軸にある作家だから。歴史的事実のなかからのくりぬき方が独特だ」と語っている。博覧強記、知の巨人の旅。コンパクトな地図帳を見ながら私はまた読み返している。
[OPAC]
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